*2007年度福島めぐりツアーまとめ [#z3471a75]
 文責 黒澤和美
 
  10月6日(土)、7日(日)、いわき孫三の企画として福島めぐりツアーが行われました。参加者は、黒澤の他、いわきから高校生のあらた君、たかひろ君、そして7日から福島の高校2年生のだいご君とゆうすけ君でした。
 
 *6日(土) [#t4315194]
 **福島の夢を育む施設こむこむ見学 [#e6d831b8]
  福島市では、平成17年度から通称「こむこむ館」と呼ばれる新しい児童総合施設が建設され、その活用に力を入れています。プラネタリウムもあり、小学校の教員免許をもった人たちも配置されています。主に理科的な学習活動が多いでしょうか。~
  プラネタリウム「銀河鉄道の夜」を見ました。宮澤賢治の作品をCGなどで3D化してきれいな映像に仕上げていました。プラネタリウムといっても星を観るだけでなく、映画のような企画もやっています。しかし、これを教育的にどう生かすのか。文学作品の映像化は、その解釈の限定でもあります。作る側には意義があり、見る側もそれを受け止めるという意味では意義がありますが、教育的な活動の中の位置づけが必要になると感じました。これだけの映像技術があるからこそです。~
 **福島県立美術館・図書館見学 [#y207c424]
  福島県立美術館では、上村松園展をみてきました。上村松園は、今まで一度茨城の五浦美術館で少しみたことがあり、また、本屋先生から紹介もされていて、ロス公演のときは、資料集の表紙に「序の舞」を使用していました。チラシの表紙にもあった「花筐」(はながたみ)の狂女の迫力はすごくて、間近でみる筆つかいも繊細なのがわかり、やはり本物はちがうと思いました。スケッチなど、作品完成にいたる過程もみられたのは貴重で、興味深かったです。やはり、何事も基礎がしっかりしていないとだめだということ。それと、それをやり遂げようとするエネルギーはどこからわいてくるのかとも思いました。1つの作品を何ヶ月もかけて仕上げていく。そこには、表現したい題材、自分の主張がやはりこめられている。これが根本にないとだめなのだろうと。つまりは課題意識、問題意識ということだろうと思いました。これが生きる源泉といってもいいように思います。~
  福島県立図書館は、美術館のとなりにあります。ここで借りた本は、いわきの市立図書館から返却することもできます。~
 **飯坂八幡神社けんか祭り [#y0f80896]
  夜は、電車に乗って飯坂温泉へ。日本三大けんか祭りといわれる飯坂八幡神社のけんか祭りをみてきました。京都の祇園太鼓の流れをくんだといわれる太鼓屋台は迫力がありました。八幡神社ですから、源義家が関係しています。ちょっとのぞいてみようと思っただけでしたが、すごい人手で、屋台の上の方がみえるだけといた有様でした。八幡神社の境内で、屋台の屋根に人が立ち、屋台同士が激しくぶつかり、大きく傾いていました。屋台は町内会ごとにあり、まさに地域あげての大イベント。この時期は、福島地区でもあちらこちらでお祭りがあってにぎわっていました。観光客もかなり多かったと思います。私たちもそうだったわけですが。しかし、それぞれの地域でお祭りはあるわけですから、ふと、自分の地域はどうなのか。と思います。本来、お祭りは身近に各地域に根ざしたもの。それは、神への畏敬、感謝、祈り、であり、生活の精神的土台になるもののように思います。そういう普遍的な考え方をおさえ、孫三としてそれを守る立場に立ちたいと思いました。~
 **夜の交流会 [#a698f270]
  夜は、9月29日、30日に京都での日本方法学会と大阪の孫三研究会の様子を写真をみせながら報告しました。来年からは、2人も研究会に参加して、いろいろな考え方をみて視野を広げていきましょうとなりました。私がうれしかったのは、私が京都や大阪で発表してきた内容を興味をもって聞いてくれたことです。教科書の問題、スモールステップの指導法の弊害、高い要求水準が子どもの意欲を引き出し、課題を自ら解決していく力を引き出すことを伝えました。~
  たかひろ君のAO入試も間近で、その対策の話もしました。ポスターは提出してしまってもそれで閉じるのではなく、自分の学びの可能性を大学の趣旨と関連づけて伝えられるといいと話しました。~
 
 *7日(日) [#w313b0f0]
  2日目からは、福島の高校2年生のだいご君とゆうすけ君が合流。いわきと福島の交流となりました。福島の2人には、孫三の趣旨と現状を写真を見せながら、簡単に説明しました。私にとっての実践という意味での原点は、福島での講師経験と、そしていわきでの経験であり、その時の教え子たちとこうしてまた接点をもって交流できるというのは、まさに孫三の実践化といえると感じました。
 
 **文知摺石見学 [#xbd88246]
  百人一首に出てくる河原左大臣源融の和歌「みちのくのしのぶもちずりたれゆゑにみだれそめにしわれわらなくに」の地に行き、文知摺石をみてきました。いわきの白水阿弥陀堂のときもそうでしたが、福島の高校生も初めてきたとのこと。地元の史跡も、なかなか機会がないと来ない。それも問題意識の現われでしょう。文化もいろいろありますから、どんな文化をどういう価値として大事にするか、がこれからも問われていくと思います。運よく、管理者の方から説明を受けることができました。文知摺絹がこの信夫地方に古くから伝わっていたそうですが、実際に体験で文知摺石に絹をこすりつけて綾形の模様を染め出す体験の様子も展示してありました。これは、孫三の活動に使えるかもしれません。
 
 **茂庭の地 摺上川ダム見学 [#y795a168]
  摺上川ダム建設のため、茂庭の半分が湖に沈みました。約600人の人々が茂庭の地を離れざるをえませんでした。今、ダム周辺は、キャンプ場や公園の整備といった、観光地としての準備が進められています。自然の生態系も確実に変わってきているようです。当然反対運動もありました。すべて自然のままがいいとはいいませんが、行政の意図と茂庭に住む人々の思いをみていかなければならないと思います。できてしまったから、しかたがないといって、すべて肯定的に受け止める、あるいは、マイナス面を見ないで、見せないようにして次世代に伝えていくのは、危険だし、未来に生きる上であまりに視野がせまく、貧しい生き方になるように思います。~
 **茂庭小学校 [#y6362a41]
  築11年目の新しい校舎です。歴史は120年以上あります。昭和29年には、400名以上した児童数も、今年度は25名。過疎化はすすむばかりです。子どもたちのものの考え方も学校の教育の内容も都市部化していて、せつな的な考え方になっているのは、茂庭も例外でないことを感じています。逆に、どこででも、教育はできるし、孫三はできるということ。今の私の仕事現場をみてもらいました。~
 
 **感想 [#r698c8a7]
 ・久しぶりに密度の濃い休日になりました!あと、蕎麦おいしかったです!!(ゆうすけ)~
 ・地元であるが故なかなか行けないところを訪れることができ、有意義な一日でした。(だいご)~
 
 
 

トップ   編集 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS